的 200字
Memantinに関する効果を明らかにするために,軽度から中等度のレビー小体型認知症(DLB)とパーキンソン病型認知症(PDD)の患者さんにMemantinとプラセボを投与し6か月間の経過を観察し,効果と安全性について検討した(GOOD!!)。(効果指標としては,アルツハイマー病の主観的変化,日常生活活動,介護負担感,神経精神的検査,認知機能検査,運動機能検査を計測し,安全性については,逆行するイベントやバイタルサインの経過を追った。←これは目的ではなく手法)(192字)
・目的の本質は捕らえられている。
・目的と手法を混同しないこと。
・手法は二重盲検下無作為比較試験、で十分。
・手法を長くを述べるよりも、なぜmemantineのDLB/PDDへの効果を調べる必要があるのか、を追加した方が良い。
(参考に)
レビー小体型認知症(DLB)とParkinson病関連認知症(PDD)は認知症の原因として二番目に多く、行動や視空間認識に異常を来す。ともに脳のコリン欠乏がありコリンエステラーゼ阻害薬rivastigmineの認知機能と行動症状への効果がランダム化試験で示された。両疾患は病理生化学的にAlzheimer病(AD)に類似点があり、Alzheimer病治療薬として使用されるmemantineもDLB/PDDに有用な可能性がある。今回は両疾患の患者さんに6ヶ月の二重盲検下無作為化比較試験を行い効果と安全性を検討した。(200字)
背景 300~400字
DLBとPDDは認知症の初期発症で2番目に認められる症状であり,認知症の15~20%に当たる。そして臨床症状と病理というのは,たくさんの重なり合う部分はあるが(重なり合う部分も多くあるが),いくつかの違いもある。病理変化で大脳辺縁系にレビー小体が現れ(α-synucleinが沈着す)るのがPDDであり,アルツハイマータイプの病理に変化し,特にアミロイドプラークが報告される(アミロイド斑含むアルツハイマー変化が見られることもある)一方アミロイドが全体的にみられるのがDLBである(→DLBではアミロイド変化が見られることが多い)。両症状ともに,コリン作用性の物質が欠損しており,コリンエステラーゼ阻害剤が処方されている(の効果について研究がなされ)。RCTの結果からも症状(認知機能と行動症状)改善が示されている。
NメチルDアスパラギン酸受容体のmemantinが抗認知症治療として唯一利用可能であり,グルタミン酸作動性の神経変化(伝達)を改善する働きがある。その効果は中等度から重度のアルツハイマー病には効果があることは報告されているが,DLBとPDDの患者さん(への効果)の報告は乏しい。2編のRCT結果より,memantinがPDD、DLBにそれぞれ効果があることが示された(効果がある可能性が示唆された)。これより今回の研究(効果と安全性を検討するため6ヶ月の二重盲検化無作為比較試験)に至った。(398字)
・α-synucleinはPDDの病理に特徴的で、今一番HOTで良く研究されている物質です。
この単語が抜けるのはけっこう痛いです。
・commonは「全体的に」ではなく、「一般的に」「よく(普遍的に、頻回に)」という意味
・Alzheimer-type pathological changesは「アルツハイマー型の病理に変化する」のでは
なく、(アルツハイマー型神経原繊維変化)と訳します。PDDの病理が途中でADの病理
に変化する(動詞として「変わる」のではなく)、そういう名前の病態があるのです。
・なぜmemantineなのか、どうして今回の研究に至ったか、という流れが大切。
・memantineがPDD/DLBに効果がある可能性は示唆されているが、エビデンスレベルが弱く、「効果があると示され」てはいない。
・結果として、「memantineのPDD/DLBに対する効果と安全性を明らかにすべく二重盲検下無作為比較試験を行うことにした」という単語は文末に是非入れたいです。
(参考に)
レビー小体関連認知症(PDD/DLB)は認知症の原因としては二番目に多く、認知症全体の15-20%を占める。両者の臨床症状や病理は類似点も多いが、病理含めいくつかの相違点もある。PDDでは大脳辺縁系にレビー小体が認められ、α-synuclein沈着が病理変化の原因と考えられている。一方でDLBはAlzheimer型のアミロイド沈着パターンが多い。一方で両疾患とも脳回路でのコリン欠乏が見られ、コリンエステラーゼ阻害薬であるrivastigmineが認知機能と行動症状を改善するというランダム化研究がある。DLB患者ではグルタミン酸活性の変化が報告されており、The N-methyl D-aspartete受容体拮抗薬であるmemantineは、認知症の治療薬ではグルタミン酸系の神経伝達を促す唯一の薬である。その効果は中等度から重症のADではすでに示されているが、PDD/DLBではまだエビデンスが少ない。PDD/DLBは病理・生化学的にADに類似するため、その効果と安全性を検討するため二重盲検化無作為比較試験を行うことにした。(379字)
考察 400字
結果としてDLBの患者さんには,主観的評価(臨床医評価による全体的な状態),神経精神評価(行動症状)についてはプラセボと比べて有意に有効であった(軽度だが改善することが分かった)。日常生活活動や介護負担感、認知機能に関しては,大きな変化はなかった。
このことに対し,主観的評価の改善というものは,他の項目の小さな結果が影響している可能性がある。そしてPDDとDLBは同じ病気のスペクトラム内と思わるため,memantinがこの両者に同様に効果があるということかもしれない。しかしながら使用している服薬や重症度が違うことでmemantinに対する反応が異なっているかもしれないということを説明した。(238字)
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(修正)
結果としてmemantinはDLBの(臨床医の)主観的評価,神経精神学的(行動症状)についてプラセボと比べて有意に有効であった(軽度だが改善することが分かった)。その他(患者の?)日常生活活動(日常生活動作)や介護負担感、認知機能,運動機能(そんな記載ある?)に関しては,有意な変化はなかった。PDDについてはどの項目についても有意な結果は出なかった。
このことに対し,主観的評価の改善というものは,他の項目の小さな結果が影響している可能性がある(主語述語が変)。そしてPDDとDLBは同じ病気のスペクトラム内と思わるため,memantinがこの両者に同様に効果があるということかもしれない(と期待していた)(が、予想に反する結果 DLB>PDD が出た)。しかしながら使用している服薬や重症度(何の?)が違うことでmemantinに対する反応が異なっているかもしれないということを述べている(←誰が?)。主要な違い(何と何の?)としては,memantinの効果を調査したい(する)ために(誰に対し?)コリンエステラーゼ阻害薬の使用は控えたことである。DLBやPDDにコリンエステラーゼ阻害薬を使っているとDLBの方には行動、注意力が改善する関係が示されており今回のmemantinの効果と似ているということである(効果に対する交絡因子となりうる)。(385)
ここで2時間20分。。
・結果を述べている部分はだいたいgood!! でも考察がいま一つ。
・主語述語、文章の一貫性に気をつけること。
・客観的な事実と著者の主観・考えを分けて考えること
・文章を明確にすること(誰が?何と比較して?何と何の違い?など)
・安全に関する研究結果は?
(参考に)
MemantineはDLBの患者において偽薬と比較してADSC-CGICで評価した一般臨床状態とNPI評価による行動症状を軽度改善するようである。一方で患者の日常生活動作や認知機能、介護者の負担感には有意な改善は得られなかった。PDDでは全ての項目で有意な効果は得られなかった。
ADSC-CGIC値は検査者の主観的印象で決まるため、認知機能だけでなく行動症状、運動機能など様々な因子の影響を受ける。他因子に介入群と非介入群で差がないため、本研究では特に行動症状の影響を強く受けたと思われるが、様々な微小変化の積み重ねが評価に影響した可能性もある。PDDとDLBは同じスペクトラムの疾患と考えられるため両疾患に同様の効果が出ると期待したが、本研究はmemantineはPDDよりDLBに効果的との結果を示した。DLBでより効果が得られたのは、病理学的にはDLBの方がADに近いためではないかと考える。また、残念ながらこの研究では、被験者の介入前のNPI値、心血管疾患の併存、併用薬(MAO-B阻害薬や抗コリン薬)にすでに差があるため、それが交絡因子となっている可能性もある。また、研究規模もやや小さい。安全性に関してはPDD/DLBで重篤な副作用や服薬中止は介入群と非介入群で差がなく、介入群で最も多かった副作用は眠気であった。(500字)